まず始めに断っておきますが、「売血」は現在は法律で禁止されている行為です。
また、現在では実在するアルバイトではありません。
数十年前に日本で実際に行われていたアルバイトの話しです。
この点をご承知の上、「こんなものもあったんだ~」程度に、あくまでも読み物としてお読み下さい。




「あしたのジョー」という漫画を読んだことはありますでしょうか?
読んだことはなくとも、タイトルくらいはほとんどの人が知っているでしょう。

この漫画の始まりに、こんな場面があります。


矢吹丈(ジョー)は孤児院を出て、全国をさ迷い歩いていた。
ある時、東京のドヤ街に流れ着き、そこでホームレスで大酒飲みだった丹下段平と出会う。
ジョーのその風来坊の喧嘩の腕を目に惚れ込み、再び健闘の世界への希望を取り戻した丹下段平。
練習用器具の調達や生活費、ジョーからせびられる小遣いを稼ぐために、
練習の時間以外は昼夜掛け持ちで甲斐甲斐しく仕事に出かける。
今までの飲んだくれた姿とは打って変わったその様子に、ドヤ街の子供たちはこう言って、驚く。

「どうした心境の変化だい?」
「いままでは毎日血を売った金でのんだくれていたくせに」



そう、あの丹下段平もやっていたのが「売血」ですね。

売血とはその名の通り、血を売ること。
献血をすればジュースやお菓子がもらえたりしましすが、売血は現金を対価とするんですね。
昭和40年代当時で、200mlの血液が400円で売れたらしいですね。。
物価の換算が難しいんですが、現在の貨幣価値にすると4,000円程度でしょうか?
けっこうな金額になったみたいですね。


売るのは、通称「血液銀行」と言われる買い取り業者。
買い取った血液を輸血用血液として転売することで利益をあげる業者ですね。

日本では、1965年頃まで売血制度が行われており、手術に必要な血液は患者個人が高額で「買う」ものだったんですね。
献血もされていたことはされていたのですが、それでは全くもって足りない状況で、各地に民間の「血液銀行」なるものが設立され、そこで患者個人が血液をお金を出して血液を買っていたんですね。。
今では考えられないことですが。

「血液銀行」は各地にあったらしいのですが、中でも有名なのが東京の山谷と大阪の釜ヶ崎。
いわゆる「ドヤ街」です。
そこで生活に苦しむ人たちから、200mlあたり400円で血液を買い集めたんですね。
一応、採血量や採血の間隔(一人から1ヶ月に1回しか採血してはならない)にも制限はあったんですが、それを守らない業者が多く一日に2回採血することも多かったようです。


ただし、この「売血」には大きな問題があったんですね。。
感染症の検査が不十分であったことに加えて、売血者の多くが低所得の肉体労働者だったんですね。
次第に血を売って生計を立てる「ケツバイ」と言われる常習者が出るようになり、売血の供血源がドヤ街の限られた売血者に固定化してしまったんです。

で、当時は日本中でそうだったのですが、低所得者層の中では「ヒロポン」と言われる覚醒剤の注射が蔓延しており、注射針による肝炎ウイルス感染が広がっていたんです。
その血液が「売血」されることで、肝炎ウイルスに汚染された輸血用血液が出回ってしまい、輸血後に肝炎に感染するケースが頻発してしたのです。
一説には、輸血をした人は20%の確率で肝炎に感染しまったのだとか。
当時は、感染した血液は「黄色い血」として恐れられたそうです。

当然ながらこの「黄色い血」は大変な社会問題となり、批判を浴びて売血制度は紆余曲折を経ながら徐々に献血制度に切り替わっていくことになるんですね。
(ちなみに日本における有償の採血が禁止されたのは、なんとごく最近の2003 年になってからです)


今回の体験談は、「血液銀行」に血液を売った方のものです。
売った先は、血液銀行の中でも「最大手」と言ってもいい会社ですね。
その会社の設立時の名前は「日本ブラッドバンク」。
後に薬害エイズ事件を引き起こしたミドリ十字の前身の企業です。。


30年近く前の話しになるのですが、ミドリ十字に血を売ったことがあります。
何せ30年も前なので記憶が曖昧な部分もあるのですが、覚えている範囲で書こうと思います。

日雇い仕事にあぶれたある朝、作業ズボンのポケットの小銭をまさぐりながら途方にくれていました。
西成あいりんセンターにあふれるアブレタ労働者の一群に前一緒に仕事をした初老の男を見つけ、相談すると彼は「ミドリ十字に行ったらええやんか!」と売血をすすめました。
 
ミドリ十字は京橋駅から歩いて10分位でした。
ビルには私と同じように、あぶれた日雇い労働者であふれていました。
ほとんどが老人です。

血圧測定が終わってからベットが並ぶ大きな部屋に通されました。
ベットに横たわると看護婦が採血をはじめ、30分ほどベットでじっとしていました。

ベットの間を器具を持って忙しく動き回る看護婦たち。
隣りのベットの作業服姿の老人が看護婦に言いました。「あんたら、白衣の天使や。」
女は「わたしら吸血鬼やで」と笑った。


やっと採血が終わると別の部屋で2千円とヤクルト、アンパンをもらいました。
それから仕事にアブレるとミドリ十字に何度も足を運びました。
普通2千円ですが、若いと「ダブル」といって2倍採血してくれて4千円になりました。
また、採血所も大阪だけでなく京都、神戸にも行きました。

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コメント一覧

東京都内で10年ほど前、友人が売血しました。
安全上の問題で向こう1年間は売血禁止という決まりで、対価は1万円とのこと。

楽に1万円が手に入るなら私も行ってみようか‥とも思いましたが、、、
誰もが知っている歓楽街の雑居ビル2階にあるその医院は何となく不気味な佇まいで、どうも気乗りせず‥とうとう行かずじまいでした。

  • [2008/07/06 03:24]

>>なさん

貴重な情報の提供、ありがとうございます。
なるほどですね。。
「誰もが知っている歓楽街」ですか。
現在では法律で禁止されている売血ですが、今でもちらほらと話しを聞くこともあります。

特によく目にするのは、某有名国立大学での体験談ですね。
現在ではもう行われてはいないのですが、医学部の学生向けのアルバイトとして、つい数年前まで実際に売血が行われていたようですね。。

  • [2008/07/07 09:24]
  • えっくす

売血って、いま中国でも問題になっているみたいですね。
こわっ!

  • [2008/07/09 21:37]
  • 名無しさん

僕の友人も10年程前に売血やってましたよ場所は埼玉のある所。彼も月一だから、本当に苦しい時しか行かないって言ってました。

  • [2008/07/10 23:00]
  • たね

>>名無しさん

そうですね。
特に中国の貧しい農村などでは、売血のせいでエイズが流行してしまっているみたいですね。
エイズ患者に対する偏見や差別も酷いようですね。悲しいことですが…。


>>たねさん
やはり売血の話しはちらほら聞きますね。最近やった、という話しは聞いていないんですが、「10年ほど前にやった」というのはなぜかよく聞きますね。。

  • [2008/07/11 21:15]
  • えっくす
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